
![]() |
|
2010 カムの旅 | |
チベット文化圏は中国国内だけではなく、インド北部からネパール、ブータン、モンゴルと幅広く広がっている。
その中で中国四川省の西部に位置する甘孜チベット族自治州は、チベット人たちの間で“カム”と呼び分けられ、中国による破壊を逃れた寺院や巡礼地などもあり、チベット本土(中国チベット自治区)より色濃い世界が広がっている。
特にカム出身の男“カムパ”には、髪飾りを付け伝統的な衣装を着用するという独自の民族性が残り、信仰心も篤く勇敢なことで知られる。
昔、中国の侵略の際に最後の最後まで抵抗したチベット人がこのカムパだったとか。
地理的には標高3,000mを越す乾燥した茶褐色の大地が主だが、チベット本土に比べると大地が肥沃で、連なる雪山を背景に草木や豊かな川、遊牧風景も多く見られる。
今回は2006年の夏に訪れて以来の再訪。目的は冬のチベット人たちの巡礼風景を撮影すること。
チベット人たちは冬の間、仕事が少ないため巡礼に出掛ける人が多い。しかしその行程は夏よりも遥かに厳しいものになる。
それでもチベット人たちは、巡礼は苦労すればするほどいいと信じ、強い信念で聖地を目指す。
いつ頃からか、私はチベットの本質は厳しい冬にこそある気がしていた。そしてその風景を撮ってみたいと思い始めていた。
2006年はこのエリアをバスや乗り合いタクシーなどを利用して移動したが、今回は途中いつでも止まって撮影出来るように、そして道が凍結して危険な恐れがあるので車をチャーターすることにした。
ドライバーも運良く土地勘のあるカム出身者。現地のチベット人たちを訪れるには強い味方を引き連れ冬のカムへ向かった。

カム北部の草原地帯にラルン・ガルと言う大コミュニティーがある。 これはある高僧の元に口コミで僧5,000人、尼僧6,000人以上が集まり、その僧房群が巨大化した僧院都市。 中国は何を恐れているのか、ラルン・ガルの入口に検問を張り...

ゲートを抜けるとすぐに僧房がちらほら現れ始め、尼僧が大勢道を歩いていた。 そして雪の曲がりくねる山道を上へ上へと進んで行くと、山の合間からすごい景色が見えてきた。 山の斜面にびっしりと僧房群が建ち並び山肌が埋め尽くされ...


















